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気が向いたら思いついたことを書いてみます
40年ほど前、某先生が
「鴫立つ沢の秋の夕暮」の「沢」って、どんな所だ。
と質問した。私は即座に
「沼」
と答えた。すると、その先生は、違う、と言う。説明の詳細は忘れたが、結論として、
「山間の渓流」
だという。その場では、先生の説明に納得して、「ああ、そうなのか」と思っていた。
しかし、渓流では、西行の歌のイメージがうまく作れない。「沢田」「深沢」などという苗字も、渓流では説明がつかない。
今日、『素書』「安礼章第六」を見ると「山峭者崩。沢満者溢」とあって、荻生徂徠『素書国字解』は、「ヤマケハシケレバクヅル。サワミツレバアフル」と読んで、後半について、「沢ハ、ソウジテ、タマリテ、ナガレヌ、水ナリ、タメヰ、ヰセキナド、一ハイニミツレバ、隄(ツヽミ)ヲフキヽリテ、水アフルヽナリ」と注している。
『日本国語大辞典』には、
①浅く水がたまり、草の生えている湿地。水草の生えている地。
②山間の谷。またそこを流れる水。渓流。谷川。
とある。
某先生は②の意味しか知らなかったのか。①の意味なら、私の答えた「沼」のほうが正解に近いのではないか。
では「沢」と「沼」はどう違うのか。湖の小規模なのが沼で、沼の小規模なものが沢なのだろうか。このへんは、よくわからない。
西行の歌に戻る。ネットで調べると、大磯に「鴫立沢」「鴫立庵」があり、写真が出ている。これを見ると、鴫立沢は小さな川だ。某先生はここを訪れて、沼ではないと確信したのか。
しかし、大磯の「鴫立沢」「鴫立庵」は、江戸時代初期、誰かが「ここだ!」と決めたもので、西行の与り知らぬ所だ。小川ではあるものの、海がすぐ目の前で、山間ではなく、谷川・渓流といったものでは全くない。私は、この歌の「沢」は、渓流ではなく、水たまりと考えたい。
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