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気が向いたら思いついたことを書いてみます
村上春樹・夢野久作・椎名誠・江戸川乱歩・司馬遼太郎など有名作家の文体を模写するという遊びがある。
https://m-dojo.hatenadiary.com/entry/20160524/p1
『もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら』という本まで出ている。
文体遊びの先駆者は大田南畝である。『宛丘伝 五体』として、宛丘を五種類の文体で紹介している。長いので、それぞれ最初の部分のみ引用する。
書上文之体
右長兵衛儀幼年より学問を心掛ケ、已前は質物商売仕罷在候処、元来質物商売の儀は貧窮の者より質を取、高利の金子用立遣し、請戻し候月限切候得ば流し候様成ル儀、非道成儀と存、何卒他商売仕度心願にて、……
俗文の体
長兵衛は江戸青山久保丁の質屋也。幼年より学問を好みしに、質屋商売は貧しきものより質物を取、高利の金をかし、定の月きれる迄請もどさゞる者あれば、其質物を流す事、いかにも非道の事也。何卒商売をかへてみんと思ひて、……
漢学者の文体
宛丘子は東都青山久保街の典舗の主人也。俗称は長兵衛、幼ニして学を好み、己が生産の賤きを厭ひて常に思へらく、典舗の業たるや貧家の衣を典らしめ金をかしあたへ、其是を償ふに至て貴き子銭をかへしむる事君子の恥る処也。願くは産業を改ん迚、……
和学者の文体
大江戸の西に横おりふせる青山てふわたり、久保丁とかやいへる所にすめる宛丘子なんたぐひなき隠者なりけり。その家のわざとするところ、人のおぎのる物をあづかり、こがねの数を母とさだめて、ほどほどにかしあたへ、其子あまたうみ出させ、衣は八の月、うつはものは十あまり二の月をかぎり、其時すぎてあがなはざれば、流川のながれよどみなく、世にかはりゆく物となしはてぬる事、とにもかくにもまめ人のなす所にあらじかしとおもひとり侍りて、……
当時雅俗ともに通ずべき体
長兵衛は江戸青山久保丁の者也。幼きより書をよむ事をこのみ、薬をひさぎて世をわたれり。元は質商をなし、人のおぎのる物を請て金をかしあたへ、つぐのふ時にはそこばくの利銀をそへしむ。或はつぐのふ時すぐれば、其物をとゞめてかへさず、外に売代ロなして徳つく事をはかれるは、道ならぬ事よと思て、……
末尾には、
吾家の児輩譬和漢の文を学ぶとも、いましめてかくのごとき戯れをなす事なかれ
と書いている。自分でやっておきながら子孫には禁ずるというのも面白い。
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