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気が向いたら思いついたことを書いてみます
敬語はとかく間違えやすい。気配りの言語だからだろう。
「具し申したし」を「ご一緒に参りたく存じます」と訳したところ、「それは間違いだ。『お連れ申し上げる』と訳すのが正しい」とイチャモンをつけてきた馬鹿者がいる。「お連れいたしましょう」などという言葉を正しいと信じること自体、敬語法に無知であることを証明している。若いうちは、己の無知を棚に上げて他人を批判したくなるものだ。(こういうことが言えるということは私が老人になったということ)
この人は、小学館の某古典全集に「お連れいたしましょう」とあるので、これが正しいと思い込んだのだろう。活字情報は正しいと思い込みがちだ。しかし、たとえ岡雅彦氏の訳であっても、間違いは間違いである。菊池より岡氏を信じたくなるのはわかる。しかし、この件に関しては間違いである。
私は、次のように説明した。以下の1~3に対して反論があるなら、どなたでも、どうぞ。
1.「具し申したし」を、小学館全集「お連れいたしましょう」(岡雅彦氏訳)やKJ氏「お連れ申し上げる」と訳してはいけない理由。
「連れる」という言葉は、同列か目下の者に対して使うものである。今問題となっている箇所の場合、女(女房・下女)から見ると、法師は客分である。客人に対して「お連れいたしましょう」「お連れ申し上げる」というのは、敬語の観点からして間違いである。詳細は下記サイトや数ある敬語の本を参照されたい。
http://ameblo.jp/comkeigo/entry-10097212058.html
では、何と言うべきか。「ご案内いたしましょう」「ご一緒いたしましょう」というのが正しい日本語である。
2.「具す」の意味。旺文社『全訳古語辞典』の「具す」の項②には、「従う。いっしょに行く。連れ立つ。」とあり、『大鏡』の例を引いて「ごいっしょに行き申しあげて」と訳している。これが正しい日本語である。問題の「具し申したし」をこれにしたがって訳せば、「ご一緒に参りたく存じます」となり、菊池訳が正解である。
3、「お連れ申し上げる」などというまちがった日本語を使ってはいけない。
「小学館の某古典全集の訳には間違いが多い」という話を聞いたことがある。文学研究者が訳しているから、語学研究者からすると、間違いが目につくのだろう。今回、はしなくも、全集訳の間違いを見つけていただくことになった。私もこの全集を参照しながら訳したのだが、念のためにと辞書をひいておいたのがよかった。


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