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気が向いたら思いついたことを書いてみます
毎日新聞に次の記事があった。
青山ブックセンター跡地に入場料制の本屋「文喫」  日販11日に開店
2018年12月10日 20時31分 毎日新聞
出版取り次ぎ大手の日本出版販売(日販)は11日、閉店した東京・六本木の青山ブックセンターの跡地に、入場料制の本屋「文喫」を開店する。同店は、グループ会社のリブロプラスが運営する。日販の担当者は「入場料を取る書店は国内では初めてではないか。書店が減少する中で、新しい本屋の形を提案したい」と話す。(中略)
入場料1500円を支払う必要があるが、料金を支払えば、無料のコーヒーや煎茶を飲みながら、椅子やソファに座ってじっくりと本を選ぶことができる。打ち合わせなどが可能な研究室や喫茶室も併設されている。(下略)
日販の担当者は「入場料を取る書店は国内では初めてではないか」と言っているが、実は、明治初期にあった。
宮武外骨『文明開化 広告篇二』によると、明治五年、尾張屋米七が次のような広告を出している。
文明維新ノ日ニアタリ進歩ヲ傍観坐視スベケンヤ於是弊店ノ蔵書ハ申ニ及ハス其他遺漏セシ書モ蒐補シテ看読ト抄録トニ備ントス請他看官日々来テ夫レ勉励セン事ヲ
 一毎日第八字ヨリ夕四字迄ヲ限リ候事
 一借覧ニ供フト雖トモ店外ニ出スヲ禁ス
 一墨付欠損ハ其大小ニ応ジ償ハンヲ期ス
 一借覧料左ノ出銀コレ祈ル
  一字間 半銭  自八字至四字 三銭
     書林 神田和泉橋通松永町 尾張屋米七白
(明治五年十月発行『新聞雑誌』第六三号所載)
これとはやや異なるが、「新聞雑誌縦覧所」というのがあって、新聞雑誌の他新刊翻訳書などを有料で閲覧させた。
同じく『文明開化 広告篇二』によると、
新聞紙ノ世ニ益アルヤ、天下ノ人既ニ之ヲ知レリ、辛未ノ年新聞雑誌始テ官許ヲ得シヨリ、今ニ於テ三年、国内各処ニ刊行スル者既ニ三十余種ニ及ベリ、四方ノ志ヲ通シ、内外ノ情ヲ観ル、至便ト云ベシ、西洋諸州新聞ノ多少ヲ以テ其国ノ盛否トス蓋又虚ナラズ、但其種類日ニ多ケレハ、購求ノ労少シトセズ、随テ耳目ノ観善ク及ハザル所アリ、是ニ於テ当社新聞書類縦覧処ヲ設ケ、各種内外ノ新聞紙ハ言ヲ待タス、新刻訳書ノ類モ亦同ク之ヲ備ヘ以テ四方ノ縦覧ニ供ス、願クハ文明ノ君子、暇ニ乗シテ源々トシ来リ、案ニ倚テ寓目セバ、購求ノ煩ヲ省キ一覧了然ノ快アラン、月券見料ノ規則ハ下載ノ条例ヲ看ルベシ
一月券一枚価十二銭五厘、月首ニ此券を買置キ玉ヘハ、一月中幾度ニテモ来過、券紙一見ノ上随意ニ見読シ玉フヲ許ス
一開場時間ハ午前第七時ヨリ午後第五時ヲ限トス
一臨時一日半日或ハ一時二時間ニテモ来観適意トス但孰モ見料三銭宛ヲ請フ
  明治六年四月  日新堂支局 東京浅草並木町 文象舎謹白
(明治六年四月発行『新聞雑誌』第九十二号所載)
早稲田大学所蔵『英和対牘』(青柳毅訳、グレゴリー校)は日新堂版で文象舎の蔵書印があるから、このような自社系列の最新出版物も閲読できたのだろう。
有料閲覧書店も新聞雑誌縦覧所も、一日三銭は共通している。明治初期のうどん・そばは五厘から一銭だから、「文喫」の1500円というのは、飲み物も含んでいるし、蔵書数も多いし、夜までやっているから、明治初期の尾張屋よりは割安か。
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